思い出のぬいぐるみなら!洗うときに注意してほしいこと
小さいころ大切にしていた思い出のぬいぐるみを偶然見つけてしまった。
ちょっと黒ずんでて可哀想だから、なんとかしたい。
そうだ!おうちでお風呂に入れてみよう、洗濯してみよう!
もしそう考えているなら、ぜひこの記事を読んでください。
古いぬいぐるみのほとんどは、生地が薄くなっていたり、ほつれていたり、そのまま洗うと崩れてしまうことが多いんです。
ご自宅で洗って、大変なことになってしまって、ご相談される方もいます。
この記事では、ご依頼いただいたウサギちゃん(身長 60㎝弱)の写真とともに、デアのクリーニング作業の様子をご紹介。
ぬいぐるみを大切に思って作業している様子をお伝えできればと思っています。
デアのクリーニング
こちらが今回ご依頼いただいたウサギちゃんです。
ご注文時に添付していただいた写真には、リビングで赤ちゃんと寄り添うウサギちゃんの姿。
今はあまり見かけることのない銀塩写真にウサギちゃんの歴史を感じました。
もっちり、ふっくらしたフォルム、フワフワした毛並みをしていた頃に、できるだけ近づけるよう作業していきます。
まずは、検品。
破れているところはないか、生地は薄くなっていないか、傷ついたパーツはないか、重点的に洗った方が良い箇所はどこか、丁寧にチェック。
無添加天然せっけんと抗酸化力の強いEM溶剤で汚れ、臭いを洗い流します。
合成洗剤に比べ、洗浄力が劣るようなイメージのあるせっけんですが、水温と泡立ちに気をつけるという手間さえかければ、抜群の洗浄力を発揮してくれます。
デアのぬいぐるみクリーニングでは、石けんの溶けやすい軟水をお湯にして、しっかり泡立ててから、ぬいぐるみの洗浄に使っています。
安心安全で、環境にもやさしいクリーニングです。
洗うときはもちろん、ひとつひとつ、個別洗い。
汚れの程度を見極めた職人が、柔らかいブラシを使って、ぬいぐるみをキレイにします。
すすぎ・脱水の際には、ぬいぐるみが傷まないよう、丁寧に布に包みます。
ジェット水流型遠心分離機を使って、すすぎと脱水を行います。
この専用機の特徴は、なんといっても大量の水ですすぎができるうえに、脱水時にも、ぬいぐるみの生地を傷めにくいこと。
しっかりと汚れを洗い流した後は、乾燥室で、型崩れしないよう、ゆっくりと自然乾燥させます。
クリーニング後
お客様からは
「クリーニングで汚れが落ちなかった場合、生地のはりかえも検討します。」
とご依頼ありました。
確かに、最初の全体的な黒ずみが目に付く状態では、かなり広範囲の生地のはりかえが必要になってしまうのではないかと心配でした。
しかし、職人の丁寧な作業によって、ここまでキレイに。
できるだけ元の生地を残して修理を進めることができそうです。
後ろ姿もこの通り。
修理
お客様と相談し、修理は以下の作業を行いました。
・両耳の作り直し
・両足の刺繍補修
・鼻の生地貼替
・首・股部・足の縫いとじ
生地が弱って、ところどころに穴やホツレがあった両耳についてはできるだけ色味の近い生地を探し出し、作り直し。
首、股部、足の接続部分にみられたホツレも縫いとじました。
中綿交換もして、くたっとした印象から、ふっくらとした姿へ。
仕上がりはこちらです。
生地が破れて、中のプラスチックが見えていたお鼻部分も、一度パーツを外し、生地を貼替え、元の位置に縫製すれば、この通り。
オレンジ色の可愛いお鼻が戻ってきました。
修理の際に、中綿交換をご希望されない場合でも、お鼻のパーツ交換や、裏地補強など内側から行う場合は、作業部分の中綿の交換が必須になります。
また、「思い出の詰まった中綿も返却してほしい」というリクエストにも対応いたします。
あらかじめご注文時にお声がけくださいませ。
古いぬいぐるみをクリーニングするなら
汚れてしまった古いぬいぐるみをなんとかきれいにしてあげたい!
そう思っている方に、ぜひ気をつけてほしいことを挙げてみます。
■思った以上に生地が弱っています
洗濯ネットに入れて、洗濯機でクリーニング・・・というのは、ぬいぐるみが壊れてしまうのでやめましょう。
実際に洗濯段階で破れてしまって、ご相談されるお客様もいます。
脱水もできず、タオルに包まれて、持ち込まれたぬいぐるみさんをみると、とても大切なものであったことがわかり、切ない気持ちになります。
■ウレタン綿が劣化しているかもしれません
古いぬいぐるみの中には、ポリエステル綿ではなく、ウレタン綿が詰められたものがあります。
ウレタン綿は劣化しやすく、粉状になることが問題になっていて、洗ったら茶色くシミができることもあるようです。
ウレタン綿が入ったぬいぐるみさんは、ウレタンの強い伸縮力をもつ性質のせいなのか、お腹がはじけたり、生地が破けたり、縫い目がほつれたりしやすい印象があります。
さらに、ウレタンは濡れることで劣化が進みやすいことを考えると、ご自宅で洗うのはリスクが大きいでしょう。
▲こちらのマイメロちゃんもウレタン綿の子でした。
マイメロちゃんの修理後の様子はInstagramで紹介しています。
>>マイメロちゃんの様子はこちら
■ぜひご相談ください
古いものや生地が弱っているもの、薄くなっているものは、細心の注意が必要です。
また、クリーニングの基本として、しっかりと汚れをとり、洗剤などをきちんと洗い流さないと、後々シミや黄ばみ、ニオイの原因になります。
乾燥に時間がかかるのも、ムレくさいニオイを引き起こしかねません。
古いぬいぐるみにとって、頻繁なお風呂は、生地を傷め、劣化を早めてしまいます。
プロに任せて、クリーニングでしっかりと汚れをとって、防ダニ、抗菌加工はいかがですか?
きれいな状態を少しでも長く保つことができます。
思い出のぬいぐるみも綺麗になれば、家族の輪の中に。
再びお子様、お孫様の遊び相手になってくれる姿や、リビングのソファにちょこんと座っている姿は、懐かしさを感じるものになると思いますよ。
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