ぬいぐるみ修理とお客様の声。こうやってお直ししています

いつも一緒にすごしているぬいぐるみが汚れてきた、ヘタってきた、生地が破れてきた。
修理してもらいたいけど安心してお願いできるお店かどうかわからない・・・。

アットデアにご依頼いただく前のお客様は、皆様このようなお気持ちだと思います。

ご不安なくお任せいただけるように、今回は私たちがどのようにぬいぐるみをお直ししているのか、その工程をご紹介します。

グルミットくんのお直し事例

こちらは「ウォレスとグルミット」でいつも大活躍しているグルミットのぬいぐるみです。
スタッフが手で支えていますが、長く一緒に過ごしてきたことによって中綿がかたよってしまって、支えがないと座っていられなくなってしまったんです。

お鼻も白くすすけています。

お客様のご希望は、このすすけてしまったお鼻をキレイに直すことと中綿の交換です。

デアに寄せられる相談ごとはお客様おひとりずつ全く異なりますので、専門の職人が最適な方法でお直しを行っていきます。

１．縫い目を見つけてカットしていきます

まずはお鼻です。
このグルミットくんのお鼻は外側から縫い付けてあるだけではなく、内側にも部品があります。
部品を取り出さないと交換ができないので、背中の縫い目を開いて綿を抜くという作業を行います。

ハサミを入れていますが、これは生地を切っているのではありません。
モフモフの毛の中に隠れている縫い糸を探して、この糸だけを切っているのです。
今回は生地交換は行いませんので、生地にキズがつかないように糸を慎重に切っていきます。

２．綿を全て取り出します

職人の手が入るギリギリのサイズでカットしました。
中綿も交換をするので、お顔、ボディ、腕、足全体の綿を丁寧に取り出していきます。

取り出した綿が小さな塊になっていますよね。長く一緒に過ごしてきたぬいぐるみの多くはこのように綿が塊になっています。これがぬいぐるみがへたってきたりかたよってお座りが上手にできなくなる原因になりますので、丁寧にすべての綿を取り出す必要があります。

３．鼻を取り外しして新しい鼻を作ります

この丸いパーツが鼻を固定するために内側からつけられているものです。

パーツを取り外すと、外側の鼻も外すことができます。

鼻のパーツもデアで手作りします。

まずは鼻の布をパーツから取り外して、丁寧にアイロンをかけて広げます。

元の鼻の生地から新しい布に型を取って切り抜いていきます。

切り抜いた布を先ほど外した鼻のパーツにセットしていきます。

グルミットくんに取り付けて、内側のパーツも戻して・・・

お鼻が完成！

もしぬいぐるみのイメージにピッタリの生地が無い場合は、スタッフが関東中のお店を走り回って探してきますので、お客様の方でご用意いただく必要はございません。
この生地を探してストックしておくという作業もぬいぐるみ修理に欠かせない大切な工程なのです。

４．綿交換

続いて、綿の交換です。
向こう側にあるのが古い綿。手前がこれから詰める新しい綿です。
古い綿はコットン（綿：めん）素材でした。コットンは自然素材の良さがあるのですが、弾力が弱く、ダニの心配もあります。
デアでは耐久性とダニの繁殖のしにくさを考慮して、ポリエステル綿を採用しています。

綿がしっかり詰まっていることを確認しながら手足の先まで入れていきます。
ぬいぐるみの綿は時間が経つとどうしてもしぼんでしまうので、少し多めに入れてふっくらと仕上げていきます。

グルミットくんらしい姿勢になるように、何度も調整します。

綿を詰め終わったら背中を縫い閉じます。縫い目がわからないように丁寧に縫う技術は職人技です。

５．完成！

ひとりでお座りできるようになったグルミットくん。

お顔がふっくらして、グルミットくんらしいいきいきした表情になりました。
お鼻は新しい生地で作ってあるので新品同様です♪

グルミットくんのもっと詳しい修理の流れはこちらから⇒

お客様の声

最後に、アットデアでぬいぐるみを修理されたお客様の声をご紹介いたします。
ぬいぐるみの修理に寄せられるご感想はお客様の想いがこもったものばかりで、拝読しているとこのお仕事に誇りに思いますし思わず涙が出るときもあります。
また、改めて気持ちを引き締めてお仕事をしなければならないと強く感じます。

こんばんは、夜分遅く失礼致します。
この度は、大切な家族であるスヌーピーを、ご丁寧にクリーニングしていただき、ありがとうございました。
思っていたより早く帰ってきてくれて、鼻が綺麗になおっていて、汚れも綺麗になっていて、本当に嬉しくて涙が出ました。
本当にありがとうございました。

私ども夫婦も６３歳に成りました。二人の娘も結婚して、それぞれお母さんに成りました。
そんな長女が生まれた時、私は２３歳で当時はヤんパパ・ヤんママの部類に入りました。

若い夫婦は団地に住んでおりましたので、娘が欲しがった犬は飼えませんでした。
そこで買ったのが、治して頂いたチャウチャウ犬のぬいぐるみです。
いつも、片隅にいてくれた犬は、家では【ぶく丸】と呼んでおりました。

長女も３４歳に成り３歳のお母さんに成りました。３４年も私たちと一緒にいました。
今度、引っ越し先に一緒に連れて行きたくて、お願いいたしました。
今は夫婦でテレビを見る時に座っているソファーに一緒に座っています。
本当に、ありがとうございました。これからも大事にしていきます。

初めてぬいぐるみをクリーニングに出しました。
このぬいぐるみは引っ越しを重ねて、おおよそ15年近く経過したものです。大きさも大きいし、古いし、最初は破損の恐れがあると言われたので、ある程度の損傷は覚悟してました。

しかし実際にクリーニングされたぬいぐるみが戻ると、ちゃんときれいになって帰ってきたではないですか。
これには感動しました。やっぱり技術は確かなんだなと確信しました。

仕事も丁寧ですし、なんとなく職人さんのやさしさが伝わるようなメモもありました。
これほどまでに親切にしていただけるとは思ってなかったので、もう次のクリーニングは迷いなくここに頼みます。