ぬいぐるみのクリーニング工程
――ぬいぐるみの痒いところも、デアには分かる。
2、ぬいぐるみのクリーニング工程
ぬいぐるみなんて、お家で洗えばいい? デアは、そうは思いません。
確かに、簡単なぬいぐるみであれば、お家で洗うことだってできます。
だけど、ほとんどのぬいぐるみには洗濯表示がついておらず、また、ぬいぐるみは乾燥にとても時間がかかるため、表面や中綿にカビが生えてしまうことが多いのです。だからと言って、脱水機にかけてしまっては、ぬいぐるみが壊れてしまうこともあります。
大切にされているぬいぐるみに、そういったリスクを負わせることについては、デアはどうしても賛成することができないのです。
“天然石けん”を用いた、デアのぬいぐるみクリーニング。
ぬいぐるみを洗う際には、他の衣類と同様に、合成洗剤を使ってしまいがちです。
ですが、ぬいぐるみは性質上、中綿まできっちりすすぐことが難しく、そうなりますと、中綿には必ずその合成洗剤が残ってしまいます。
すると、どうなるか。そのような化学物質は長く触れていると、赤ちゃんやお子さまに悪影響を及ぼします。肌を荒れさせたり、アレルギーの原因になる可能性があります。
そこで、デアでは、全工程に“天然石けん”を用います。そうすることで、上記の悪影響からみなさんをお守りすることができます。
あなたが哀しむ姿を見るのは、ぬいぐるみだって望んでいません。それも、自分の体に残った洗剤のせいだなんて、あんまりだとは思いませんか。
デアのぬいぐるみクリーニング工程
本日も、デアのぬいぐるみクリーニング工房に、ぬいぐるみさんたちがやってきました。
大切にされているぬいぐるみさんたちを前にすると、ご依頼主様の我々への期待をひしひしと感じ、身が引き締まる思いがします。
工程その1・「検品」
今回は、特に汚れのひどかったこのスノーマンさんを例にして、皆さんにデアのクリーニング工程をご紹介します。
ぬいぐるみ一つ一つを、すみずみまで細かく調べ上げ、汚れの箇所を探します。
すると、背中に縫い目が弱くなっている箇所を発見しました。ご依頼主様にその旨報告し、了承をいただきます。きちんと保護して洗いますが、仮に破けてしまった場合は、責任をもってデアが修理致します。
<「スノーマン」の画像添付>
スノーマンさんは「少年が作った雪だるまに命が宿った」という設定通り、本来の体の色は白であるようです。マフラーの下を見ていただければ、お分りですね。
残念なことですが、これほどの黄ばみを取り去り、元の真っ白な状態に戻すことは我々にもできません。しかしながら、手垢や埃などの汚れを取り除き、よりキレイな状態にして差し上げることができます。
工程その2・「かけ洗い」
ちょっと失礼して、シャワー中のスノーマンさんをパシャリ。
まずは、全身に水を含ませるため、ひたすらに水をかけます。お腹にも背中にも、お顔にも手足にも、まんべんなく。
汚れが特にひどい場合には、このあとEM(善玉菌の集合体)石けんにつけ込みます。
ここでちょっと、ひと工夫。
今、スノーマンさんが浴びている水、ただの水ではありません。
その名も、“マイナスイオン軟水”。
デアが独自に生み出した、クリーニングに最適な水なのです。
軟水は石けんが溶けやすく、マイナスイオンは汚れを引き寄せ除去します。二つ合わされば、正に鬼に金棒。汚れの天敵、“最強の水”と言えます。
工程その3・「こすり洗い」
先ほどの“マイナスイオン軟水”に、天然石けんを混ぜて、石けん水を作ります。
ぬいぐるみにも、それに触れる人間にも、一切の負荷がかかりません。
それでは、早速スノーマンさんを洗っていきましょう。
まずは、頭から背中、お尻までを重点的に。
ぬいぐるみクリーニングにおいて、一番大切で、一番難しいこの工程。慎重を期さなければ、大切なぬいぐるみに傷がついてしまうかもしれません。
デアは、布製のやわらかいブラシを使い、まるで陶器を扱うように優しく丁寧に磨きあげます。この道に長けた職人の目が一つの汚れも見落としません。
スノーマンさんに寝返りをうってもらって、お腹側もブラッシングします。
徹底的に汚れを除去すると共に、ぬいぐるみを労わる繊細さも忘れません。
最後にもう一度、初めからブラッシングを再開します。
猿も木から落ちる、というように、職人も汚れを見落とすことがあるかもしれません。
だけど、この工程を終えたときには、スノーマンさんの体からは、間違っても汚れなんて見つかりません。
工程その4・「スノーマンさんの体のすみずみまで、石けん水を浸透させる」
ご満悦の表情のスノーマンさんを寝かせたまま、しばらく放置します。
こうすることで、中綿まで石けん水が浸透し、体の芯にある汚れもキレイさっぱり除去することができます。
工程その5・「ゆすぎ」
再びシャワー中のスノーマンさん。今度はこびりついた汚れごと、石けんを洗い流しています。さっきとは、肌質が違いますね。
すすぎ残しのないように、丹念に、いろんな角度から水をかけていきます。
時間を惜しまず、ゆっくりと作業することを心がけています。
そっとスノーマンさんの体を押して水を切ったあと、ふんわりと布で包みます。
工程その6・「脱水」
とうとう脱水の段階にやってきました。
ぬいぐるみの脱水は、この脱水機を使います。ちなみにこの機械は、脱水するだけではなく、ゆすぎの効果もあります。つまり、先ほども手作業でスノーマンさんをゆすぎましたが、もう一度、この機械で彼をゆすぎ、それから脱水します。
デアが誇る脱水機の「ゆすぎ」効果
写真上部のふたから大量の水が噴き出し、遠心力によってぬいぐるみの中綿を通って外にはき出されます。こうすることで、ぬいぐるみの中綿はさらに清潔な状態になります。
工程その7・「自然乾燥」
最後に、スノーマンさんたちに並んでもらって、室内で自然乾燥させます。大きなぬいぐるみであれば、乾燥まで3週間ほどの時間がかかってしまいます。
ですが、高い温度での乾燥は、縮みや型崩れの原因となります。室内での自然乾燥こそが、ぬいぐるみたちにとって最も好ましい乾燥方法なのです。
ここで、ちょっとひと工夫
ぬいぐるみが乾いているかどうかというのは、非常に判断がしづらいです。
表面が乾いているように見えても、中綿の中心まで乾いているとは限らないからです。
そんなとき、とっても良い方法があります。
こうやって、ぬいぐるみをビニールで包みます。
もし、ぬいぐるみがまだ乾いていなければ、ビニールが水分で曇ります。
しばらく待っても曇らなければ、そのぬいぐるみは乾燥OK!
取り出して、抱きしめるなり、ベッドの小脇に置いて添い寝するなり、好きなように可愛がってあげてくださいね。
工程その8・「これにて、終了。心機一転、スノーマンさん」
見てください、この誇らしげな表情。
長年積み重なった汚れが消え去り、縮みも型崩れもありません。手触りもなめらかで、石けんの香りがほんのり鼻孔に漂ってきます。
キレイな姿になって、あとは持ち主さんの元に帰るだけです。心は騒ぎ、幸せな期待を巡らせて、持ち主さんのお顔を思い浮かべているんじゃないでしょうか。
これからも可愛がってもらおうね、スノーマンさん。
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